柔道整復師の広告の制限について調べました

考えれば考えるほど混乱してくるので、過去の判例を調べてみました。実は、あん摩師・はり師・きゅう師・柔道整復師の広告に関して、昭和36年に法廷で争われた判例があります。

被告人は鍼灸院を営む男性です。神経痛・リヨウマチ・血の道・胃腸病等の病名を記載したビラ約7030枚を配布したという件についての裁判です。

一審では被告人の敗訴

一審では被告人の敗訴。二審では「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法7条」が憲法で認められた表現の自由を冒しているとして、同法7条が無効との判決。結局この裁判は最高裁まで争われ、最高裁判所で被告人の逆転敗訴が決まりました。

最高裁判所の論旨は、広告の表現を無制限に許容すると誇大広告が溢れ、一般大衆を惑わす可能性があり、その結果として適時適切な医療を受ける機会を失わせるような結果を招く可能性がある。このような弊害を未然に防止するため一定事項以外の広告を禁止することは、国民の保健衛生上やむをえない措置として同法7条は認めなければならない。

最高裁判官の意見とは?

この裁判で被告人は憲法の表現の自由を主張していたので、若干論点がズレている判例なのですが、最高裁判所の主文によると斎藤悠輔裁判官は以下のような発言をしています。

わたくしは、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法七条の立法趣旨は、多数説と同じく、「もし広告を無制限に許容するときは、患者を吸引しようとするためややもすれば虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わす虞があり、その結果適時適切な医療を受ける機会を失わせるような結果を招来することをおそれたためである」と解する。従つて、広告が同条違反であるとするには、ただ形式的に同条一項各号に列挙する事項以外の事項について広告したというだけでは足りず、さらに、現実に前記のごとき結果を招来する虞のある程度の虚偽、誇大であることを要するものといわなければならない。

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ややこしい文章なのでポイントを要約すると、「そもそも広告制限は、一般大衆の利益を守るためにある。したがって、ただ形式的に広告したから違反というのではない。広告が違反となるのは、現実に一般大衆に不利益を与える可能性があるか、もしくは広告内容が誇大の場合である。」という趣旨の発言です。なんだか余計、混乱してきますね。「不利益」や「誇大」も解釈次第ですし・・・。